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中学・高校受験:学びネット

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東大谷高等学校

 
  報恩感謝の建学精神のもと
未来に生きる心と力を育てる
東大谷高等学校は2013年に泉北ニュータウン泉ヶ丘に移転し、男女共学校として新しい歴史を刻み始めた。新しい地で、創立以来受け継がれてきた「報恩感謝」の念を培う人間教育を基盤に、「学びのNew Style」と名づけた独自の取り組みを展開している。神代一徳校長は、「グローバル化の時代に、他者と共に生きる力とスキルを育てていきたい」と語る。

校 長: 神代 一徳
住 所: 〒590-0111 大阪府堺市南区三原台2-2-2(泉ヶ丘キャンパス)
電 話: 072-289-8069
交 通: 泉北高速鉄道「泉ヶ丘」駅徒歩8分、古市・泉大津・泉佐野方面よりスクールバスあり(古市〜富田林〜金剛ルート、泉大津〜和泉府中ルート、泉佐野〜熊取ルート)
学生数: 1,106名 (2015.9.1現在)
ホームページ: http://www.higashiohtani.ac.jp

 

内面を見つめる朝礼・終礼が
感謝の心を育てる

 移転から3年目を迎え、1年生から3年生の全学年が揃った新キャンパスは、1,000名を超える生徒たちで活気に溢れている。共学1期生男子が4割を超えていたためか、すっかり共学校らしい雰囲気だ。

 男子志願者が多い理由のひとつに、神代校長は「本校の卒業生が『息子が入学できる』と喜んでくれています」と話す。

 卒業生は口を揃えて、高校時代は挨拶の仕方から言葉遣い、身だしなみにいたるまで厳しく指導されたが、社会に出てからその大切さが分かった。我が子にも同じ教育を受けさせたいという。

 同校は創立以来、親鸞聖人の「みおしえ」に基づく人間教育により、宗教的情操心に富む、礼節と品格を備えた人物の育成をめざしている。当然、しつけ教育も厳しい。

 生徒たちは登下校の際に校門で必ず一礼する。感謝の気持ちを表す長年の伝統だ。しかし、共学1期生にはその伝統を伝える上級生がいなかったため、当初はとまどった生徒も少なくなかった。

 そんな生徒たちが日々の学校生活を通して少しずつ変化していく。

 同校では、校訓「朝に礼拝、夕に感謝」の通り、毎朝授業前に朝礼を行う。校内放送で「G線上のアリア」が流れ、生徒たちは姿勢を正し、瞑想する。瞑想で心を落ち着かせた後、「聖典」の一部を読誦し、「讃仏歌」を斉唱。最後に合掌・礼拝して一日が始まる。講堂朝礼では、先生方の講話に聞き入り考えを巡らせる。授業後の終礼においても、瞑想し、「讃仏歌」を歌い、合掌する。

 「人間は自分ひとりで生きているわけではありません。自分の内面を見つめ、生かされていることに感謝する心を育てます」

 朝礼・終礼の他にも、「お花まつり」や本山参拝などの宗教行事、週に1度の宗教の授業を通じて、最初は形から入った「感謝」が、徐々に内面化されていく。

 神代校長は、「生徒が何気なく口ずさんでいる歌が讃仏歌だったりします」と顔をほころばせる。

夢の実現へ向けて
「10年未来プロジェクト」

 伝統の人間教育とともに、重点を置いているのが未来を創造する力の育成だ。そのために取り組んでいるのが、「学びのNew Style」と総称する新たな教育活動である。

 まず、すべての学習の基盤となる国語力を徹底強化する「国語力強化プログラム」。全コース・全学年を対象に実施している。

 毎朝5分間の読書から始まり、表現へとつなげていく。最初は自分が読んだ本を紹介するPOPづくり。それぞれにデザインに工夫を凝らし、興味を持ってもらえるように文章を考える。完成したPOPは、全員の分を掲示。実際の書店に置きたいほどの力作が並ぶ。本の種類はさまざま。中には、小学校のときに読んだ絵本を読み返してみたら、全然違う読み方ができたというPOPもあり、関心を集めた。POPの次は本の帯の制作へ進む。

 「遊びの要素を入れながら、考えをまとめる力を育てていきたい」と神代校長。

 国語力強化は、教科の授業ともリンクしている。古文や漢文は音読・暗誦し、国語力の基礎と教養を身につける。社会科では、新聞を教材として活用するNIE(Newspaper in Education)を実施。開始1年目に1期生の女子生徒が、新聞協会の第4回「いっしょに読もう!新聞コンクール」で優秀賞を受賞した。

 「10年未来プロジェクト」は、28歳の自分を考えさせる取り組みだ。1年生はキャリアプランニング。社会で働くことの意義を学び、職業について調べる。

 「なりたい自分を探し、実現するには今何をしなければならないかを考えさせます」

 2年生では学力を充実させるとともに、「日本学」として日本文化を学ぶ。3年生になると、いよいよ自分の目標に応じた進学先を決定する。

 「10年未来プロジェクト」では、生徒による取り組みもある。例えば「クラスカンパニー」は、文化祭で疑似「株式会社」を設立し、経済の仕組みを体験する。プレゼンテーションして認可されると、出資金を募るために株式を発行する。株式を購入するのは生徒や先生方。文化祭で利益がでれば配当金が支払われる。100円で購入した株券が130円になると株主は大喜びだ。

学ぶ意欲を喚起する
「探究ゼミナール」

 「国語力強化プログラム」や「10年未来プロジェクト」と密接に関連するのが、2年生で取り組む「探究ゼミナール」だ。教科の枠組みを超えて、疑問に思ったことや興味関心を持ったことを調査・研究する。テーマは自由。チームで協力し、議論を深めながら研究を進め、最終的に8000字以上の論文にまとめる。

 その過程でツールとして活用されるのが、電子黒板や全生徒に貸与されるタブレット端末(iPad)である。キャンパス内にWi−Fi環境が整えられ、調査やチーム内の情報共有を効率化してくれる。情報処理や情報機器のスキルを高めていくことも「探究ゼミナール」の目的のひとつだ。

 生徒たちが取り上げたテーマは、「相性と好き嫌いの不思議」「なぜニホンカワウソは絶滅したか」「円周率とは何か?」など力作ぞろい。1年間をかけて調べた研究成果は、クラスでの中間発表で意見を聞き、内容をさらに進化させる。最終的にクラス代表が年度末に開催されるプレゼンテーション大会に出場し、全校生徒の前で発表する。

 今年3月、記念すべき第1回プレゼンテーション大会が開かれた。発表方法にも工夫が見られた。NHK・EテレのTEDや白熱教室のように、タブレット端末を手にステージを歩き回った生徒も登場し、大きな拍手が送られた。

 「学びのNew Style」は、これからの時代に必要とされる「自ら考え、伝える力」と同時に仲間と協働する力を養う。

 神代校長は、「100年を越える人間教育の伝統のうえに、未来に生きる最先端の教育をめざします」と力強く語る。

※併設大学(大阪大谷大学)への学内推薦制度あり

 
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