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中学・高校受験:学びネット

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神戸女学院中学部・高等学部

 
  世界で活躍する女性リーダーを育成する
関西最古のミッションスクール
1875(明治8)年創立。関西最古のミッションスクールであり、日本最難関女子校の一つとして名を馳せる神戸女学院中高部。キリスト教精神を根底に、独自の教育スタイルでリーダーシップの取れる女性の育成を行ってきた。良き伝統は固く守りながらも、時代の要請には柔軟に対応していく方針でもある。この春、中高部長に就任した林真理子先生に、同校の”これから“を伺った。

中高部長: 林 真理子
住 所: 〒662-8505 兵庫県西宮市岡田山4-1
電 話: 0798(51)8570
交 通: 阪急今津線「門戸厄神」駅より徒歩15分
学生数: 中学校 423名
高等学校 418名 (2014.5.1現在)
ホームページ: http://www.kobejogakuin-h.ed.jp/

 

世界規模の学術コンテストで花開く
ネイティブレベルの英語力

 グローバル教育が叫ばれる昨今だが、神戸女学院は戦前から“オールラウンドの英語教育”を実践している。戦前、戦後に在職したミッショナリー英語教員の指導者アンジー・クルー女史が編み出した「クルーメソッド」を基盤にしており、中学1年の授業では、週6時間のうち3時間がネイティブスピーカー教師と日本人教師のペアティーチング。これが大きな特長だ。3年間授業では一切日本語は使わない。徹底した音声重視を貫いている。幼児が母語を身につけるような習得法を継承している。

 「目指しているのは日常会話としての英語ではなく、英語で思考し表現する能力なんです」と、自身も母校で21年間英語指導に携わってきた林部長は話す。

 英語教育の成果は多方面で開花しているが、特筆すべきは世界レベルでの活躍ぶりだ。昨年、「全国高校生英語ディベート大会」に出場した高2チームは、〈日本政府は輸入米の関税を撤廃すべきである。是か非か〉との論題で全国優勝。3月にスロベニアで開催された国際大会への進出を果たしている。大会では各国の学生チームと英語で討議を行った。

 他にも「国際哲学オリンピック」には3度出場。4月にはトルコで開催された「ヨーロッパ女子数学オリンピック」にも日本代表として参加し、銀賞受賞するなど、高度な知識と語学力がモノを言う世界舞台での活躍は数え切れないほどだ。

 「中3ではSRAというプログラムも多読で取り入れています。それぞれの生徒のレベルに合ったテキストを各自の速度で読み込むレッスンです。専用テキストを使用しているのですが、中にはネイティブ並みの速度で読める生徒もいます。読書好きの生徒の中には、原書での読書を楽しむ生徒もいるんですよ」

 こういった指導により、中3までに英検2級に合格する生徒が多い。中には留学経験が皆無で1級に合格した生徒もいる。また、TOFELITPテスト(満点677点)でも600点以上の生徒が数多くいる。また、オーストラリアに姉妹校を持つ同校では、独自プログラムでの夏期海外研修や希望者には半年間の留学制度もある。AFS、YFU、EFなどの団体を通して、英語圏のみならず、スイス、スウェーデンなど欧州諸国に留学する生徒もいる。

 英語のみならず、近年は国語や理数系の指導にも力を注いでいる。数学、理科にも高度な指導力を持つ気鋭の教員を配置しており、博士号を持つ先生もいる。

 「理系科目は女子と男子で学び方の違いがあると思うんです。女子校では、女子に特化した形で教えることができる。これが重要だと実感しています」

海外の超難関大学への
進学者も増加
OGを交えたキャリア教育に注力

 他の受験校とは一線を画し、大学進学を目標に掲げない神戸女学院では、大学合格実績を公表していない。しかし、最難関国公立大へ毎年多くの合格者を出していることは周知の事実。近年は海外の難関校へ進学する生徒も増えている。米国のマサチューセッツ工科大(MIT)などに入学した生徒もおり、この3月には2名がグルー・バンクロフト基金に合格。この奨学金は、日本の高校生がアメリカの一流リベラルアーツカレッジに留学するためのもので、4年間の学費がすべて無料になるため難関とされている。

 「最近の進路は多岐に渡っています。医学部進学者も多いのですが、単に医師になりたいという希望ではなく、国境なき医師団に加わり、発展途上国支援の活動をしたい、先端研究に携わりたいという目標を持っている生徒も多いです。又、法律や国際関係経済分野に進学を希望している生徒も、国連で働きたいとか、JICA職員になってアフリカで働きたいなど明確な目標を持っている生徒が多いんです」

 進路が国際化しつつある今、キャリア教育にも力を注いでいる。定期的に開催しているキャリア・ガイダンスの際に行われる卒業生とのパネルディスカッションでは、医師、建築家、弁護士など各界で活躍するOGを招き、在校生と膝を交えた討論が活発に行われるので生徒に好評だ。

 高大連携プログラムも充実しており、高校になると系列の神戸女学院大学の授業が聴講可能。内部進学した場合は、高校在籍時に取得した単位も認定される仕組みだ。

 「他の大学を希望する生徒も意欲的に受講しています。ラテン語とか哲学など未知の領域にふれることで世界が広がり、進路選択に良い影響を与えているようです」

自治精神が育む
本物のたくましさ
課外活動で培う企画力・実践力

 プロテスタントの教えに従い「愛神愛隣」を校訓に掲げる神戸女学院だが、「自由と自治」もまた開校以来の教育方針だ。「女子校なので力仕事もすべて女子がやらなければいけない。生徒は自然とたくましくなりますよ」と笑う林部長。実は女子の「潜在力」が最大の特徴だと言う。

 「うちの生徒は良い意味でタフです。せっかく神戸女学院に入ったのだから何かやらねばと意気に感じる生徒が多い。課外活動やボランティア活動も豊富なので、限られた時間で何を優先していくか、タイムマネジメントをしなければ学校生活は送れません。自己管理能力が自然とついていきますね」

 女子校ゆえに友達との絆は強い。キャンパスには「めぐみ会」という同窓会の本部があり、そのサポートで礼拝堂で結婚式を挙げるOGも多いという。

 「卒業してからフラッと遊びにくる卒業生が多いんです。近況報告を聞いてもらいたい、海外赴任の前にキャンパスを見たくなって、と訪ねてきてくれます。この岡田山は人生の岐路に立った時に自分の原点に戻れる場所なんでしょうね」

 取材後、林先生に校内を案内していただいた。芝生が鮮やかな校庭、ヴォーリズ建築の荘厳な校舎に礼拝堂。そして眼前に広がる六甲の山々と文教都市西宮の街並み。校内のそこかしこで「こんにちは!」と元気に声をかけてくる生徒たち。グラウンドでは全力疾走する一団。聞けば、女子サッカー部だという。

 「なでしこジャパンで有名になりましたが、実はうちが女子のサッカー部としては日本でいちばん古いんですよ」

 1966(昭和41)年創部のサッカー部は、日本の女子サッカー界を牽引してきた重要な存在。そんなパワフルさも、1世紀以上に渡って世界で活躍する女性を生み続けてきた原動力なのかもしれない。

 
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