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中学・高校受験:学びネット

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静岡学園中学校・高等学校

 
  日本初「教養科学科」単独学科の高校
「教養」を持って「科学」的に
問題解決する力を付ける
平成23年、日本で初めて「教養科学科」という単独学科の学校となった「静岡学園高等学校」。教養科学科の目指す教育とは。生徒にどんな力を身に付けさせたいか。学校改革の先頭を走る石田邦明校長にインタビュー。また教養科学科の1年3組の担任・原健二先生の英語の授業をリポートするとともに、国際交流活動についても紹介する。

校 長: 石田 邦明
住 所: 〒420-0833 静岡県静岡市葵区東鷹匠町25
電 話: 054-200-0191
交 通: JR「静岡」駅から徒歩20分、または、しずてつジャストラインバス「静岡駅―横内町静岡学園入口」6分乗車、バス停から徒歩4分、静岡鉄道「音羽町」駅徒歩8分
学生数: 中学校 209名
高等学校 1,075名 (2013.7.1現在)
ホームページ: http://www.shizugaku.ed.jp/

 

 「『教養』と『科学』。この2つの言葉に込められているのは『幅広い教養を身に付け、科学的に問題を解決する力を養ってほしい』という思いです。これから国際社会で活躍していくためには教養は必要です。もう1つ大切なのは問題解決能力。これからの社会はどんなことが起こるかわからない未知の社会。それに対応できる力を持った人間が必要とされているのです」

 そう力強く語る石田邦明校長。問題解決には論理的に考える科学的能力が欠かせない。自分の持っている教養を活用して道を切り開いていく、チャレンジし続ける人材が求められているのだ。

 こうした力を生徒に付けるため、教養科学科では独自の専門科目を設けている。国語と数学の両面から論理を学ぶ「ロジカルリーディング」、「日本論」を英訳してまとめる「国際日本」など、1つの教科に縛られない自由な視点での学びが提供されている。同校で行われている人間力育成プログラム「SGT(シズガクゴールデンタイム)」もその一環だ。

 「問題解決能力とは、問題を発見する能力や解決方法を人に訴える表現力も含みます。それが普段の学校生活でも生かされてきていると感じています」

 2011年に現在の場所に移転し、新校舎となった同校。環境が変わったことで、高校と中学校も一丸となって文化祭や体育祭が盛り上がるようになった。文化祭を成功させるには何をしたらいいのか。生徒会が中心となって生徒自身が考えている。今年の対面式は初めて生徒会が運営を企画。新入生に学校生活をより深く知ってもらうため、生徒が学校紹介のプレゼンテーションを実施した。

 専門科目やSGTでの学びは一般科目とは切り口が違う。「そこに生徒が興味や関心を持って、自分から学ぶようになってほしい」と石田校長。

 「生徒には誰でも可能性をいっぱい秘めている。それを見つけて伸ばすのが、教員の力量。オンリーワンの生徒をつくることで、日本一の学校を目指したいと思います」

「英語をフレーズごと
塊として捉える」
速読することで
リスニングや会話力もアップ

1年3組 教養科学科(探究系) 担任 原 健二先生

 1年3組は教養科学科の探究系のクラス。教養科学科と教養科学科(探究系)の2コースあり、探究系のクラスは高2時に「探究文系」と「探究理系」に分かれ、難関国公立や医歯薬系国公立を目指す。

 担任の原健二先生は英語教諭であると同時に、同校の国際交流課の課長も努める。インターナショナルプログラムの担当者として、西オーストラリア大学派遣プログラムや、同じくオーストラリアのパースにあるジョン・ウォラストン校(JWACS)との交流プログラムなどに携わっている。

 今回取材したのは「コミュニケーション英語」のクラス。リーディング重視の授業ではなく、英語でのコミュニケーションを重視したカリキュラムだ。原先生が授業で大切にしているポイントは、「英語をフレーズごと、塊として捉えてほしい」ということ。「そうすることで、速く読めるようになります。それができれば、リスニングやスピーキングもできるようになります」と話す。

 海外の大学では、明日までに100ページ以上もの英語の資料を読むことを求められることも少なくない。英語の文献にもひるまず、取り組めることが大切だ。原先生自身、大学4年次の教育実習で、自分の英語力のなさを痛感。その後2年半、アメリカ・ペンシルバニア州のユニバーシティ・オブ・スクラントンの大学院で英語と比較教育学を学んだ。

 「受験英語と実用英語を分ける考え方もありますが、それは生徒にとっては不幸なこと。学校で英語を勉強した後に英会話スクールに行くようなことがないよう、その隙間を埋めていきたいと思っています」。高校の授業を通して大学受験にも、そしてコミュニケーションにも役立つ英語を教えたいと考えている。

 このクラスの英語授業のテンポは速い。次々生徒に問題を当てていくが、ポンポンと答えが出る。最後は日本人宇宙飛行士の体験について書かれた英文に取り組んだ。生徒はわからない単語に丸をつけながら、原先生が読み上げる英文を追っていく。

 「この最後の例文で、大学受験レベルの文章というものが、どんなものか理解してほしいと考えていました。高1の段階からこのくらいのレベルが要求されることを意識してほしいと思っています」

「ワンピース」を英語字幕で
クラス委員に5人も立候補!

 海外研修など国際交流プログラムでは「生徒が完璧な英会話ができなくてもいい。積極的にコミュニケーションをとることができれば、成功だと思います」と原先生。同年代の海外の生徒と会話をすることで、英語を話せる以上に自分の意見を言うことが重要だと気付く生徒も少ないという。

 海外の生徒が同校を訪問することも多い。今年の4月には中国の緑城育華学校の生徒が来日。中学生と高1生が剣道やサッカーのデモ、茶室でのもてなし等で歓迎した。「中国の生徒はとても上手に英語をしゃべりますし、積極的です。とてもよい刺激になったと思います」。

 SGTの中で原先生は、今年「Anime English」という講座を開いた。これはアニメ「ワンピース」を英語の字幕で見ながら英語を学ぶもの。日本語の表現がどのように英訳されるのか。アニメを通して学んでもらおうと考えている。「外国人で日本語を勉強している人は独学が多い。この講座を通して、自分たちだけでもさまざまな方法で英語を学べることに気付いてほしいですね」。

 同校で教養科学科がスタートして3年目。明らかに生徒は変わりつつある。この学校に来て14年目の原先生が、今年のクラスでとても驚いた出来事があった。

 「それまで受け持ったクラスは『委員長になりたい人は手を挙げて』と聞いても誰も挙げたことがなかった。それがこの3組では、パッと5人も手を挙げたのです。こんなことは今まで初めてでした。積極的で明るい。でも、勉強となったらすぐに集中できる。それがこの3組の良いところですね」。同校の取り組みはこんな一場面でも大きな変化を与えている。

体験入学(事前申込制)

7月20日(土)・9月7日(土)
〈中学〉9:30〜
〈高校〉9:30〜 13:30〜

 
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