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中学・高校受験:学びネット

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静岡学園中学校・高等学校

 
  真のエリートとは 人や社会のために
自分の力を尽くす人
昨年創立50周年を迎えた静岡学園中学校・高等学校。今年5月にはノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の天野浩教授を迎えて、記念講演が開催された。同校が掲げる「真のエリート・リーダーの育成」にも通じる熱いメッセージが送られ、生徒たちは目を輝かせた。医師として活躍する先輩からは人の役に立つ仕事を目指した中高時代について話を伺った。

校 長: 石田 邦明
住 所: 〒420-0833 静岡県静岡市葵区東鷹匠町25
電 話: 054-200-0191
交 通: JR「静岡」駅から徒歩20分、または、しずてつジャストラインバス「静岡駅―横内町静岡学園入口」6分乗車、バス停から徒歩4分、静岡鉄道「音羽町」駅から徒歩8分
学生数: 中学校 213名
高等学校 956名 (2016.7.1現在)
ホームページ: http://www.shizugaku.ed.jp

 

創立50周年記念に
ノーベル賞天野教授が講演

 ノーベル物理学賞を受賞した天野浩教授の講演を通して、静岡学園中学校・高等学校の石田邦明校長が生徒に伝えたかったことがある。それは同校が教育目標として掲げる「真のエリート・リーダーの育成」のエリートやリーダーとは、どういう人間であるか、ということだ。

 「天野教授をはじめ、ノーベル賞を受賞した多くの学者たちは自分の学んだことを生かして社会の役に立ちたい、困っている人のために自分の力を尽くしたいと思っています。我々が目指しているエリートとは、まさにそういう人間です」と石田校長。

 天野教授は講演でこんなエピソードを披露した。中高時代、大学受験のための勉強に意味を見出せなかった天野教授は、高校の校長先生からの言葉で救われた。それは江戸時代の陽明学者・熊沢蕃山の「憂きことの なおこの上に積もれかし 限りある身の 力ためさん」という言葉で、「どんなに困難な出来事が起こっても物事をやり遂げるためには、学問が必要」と気付いた天野教授は名古屋大学工学部へ進学。そこでも恩師から「工という字は人と人をつないでおり、工学は人と人をつないで幸せにするための学問」と教えられ、人の役に立つために研究をしようと決心した。

 石田校長は「私は記念式典で静岡学園の過去・現在・未来を通じて絶対に変わらない本校の教育の信念について話しました。それは中高時代には『自分は何者か、そして生きる目的は何か』を考え、悩むべきであるということです。自分の生きる目的が明確になれば、生徒は自分たちから学び始めます。本校では生徒が自分で学ぶ目的を見出せる教育をしていきたいと考えています」と語る。

 「人のために行動できる真のエリートとして育ってほしい」。そんな思いが生徒に通じた嬉しいエピソードがあった。

 ちょうど天野教授の講演があったその日、静岡駅のホームで同校のサッカー部の生徒が電車を待っていた。その時、目の不自由な人が電車に乗ろうとするところに遭遇。その生徒は「大丈夫ですか。案内します」とその人の手を自分の腕に乗せ、電車の中に案内して座席に座らせた。

 その様子を目撃した知人から「静岡学園の生徒さんは立派ですね」と連絡を受けた石田校長は、「まさに、人の役に立つということを素直に実践してくれていた。本当に嬉しかったです」と目を細める。

 他にも同校在学中に自ら東北での震災ボランティア臨時研修会を立ち上げた生徒もいた。卒業後は大学で学びながら、若者が地域のまちづくりに参加する団体にも所属。地域振興のための活動をしている。

 「生徒の視野が広がり、自分はどういう生き方をしたらいいか考えるようになってきたことを実感しています。今後は学校としてもリーダー研修会や国際的なサミットなどにもっと参加できるよう働きかけていきたい。学びの場をさらに広げていきたいと考えています」

無理と言われた医学部に合格
医師として人の役に立ちたい

 現在、小児科医として筑波大学大学院人間総合科学研究科に勤務している鬼澤裕太郎さん。平成16年度の卒業生で現在30歳。理数科だったこともあり、工業系の道に進むことも考えたという鬼澤さんだが、「会社で自分がエンジニアをしている姿が想像できませんでした。どんな社会になっても必要とされる仕事に就きたいと思いました」と医師になることを決意。小さい頃アトピー性皮膚炎に悩んだ経験も決意を後押しした。

 しかし、本格的に受験勉強を始めたのは高3のゴールデンウィーク後だった。

 「それまでは本当に勉強しないで遊んでいました(笑)。上位クラスに在籍はしていましたが、クラス内の順位は低かったと思います」と当時を振り返る。周囲からは無理と言われたが、決めたことはやり抜く、負けず嫌いの性格からその後は受験まで一切遊ばず集中して勉強に励んだ。

 「特に担任の先生には教科書の内容だけでなく、大学受験に即した内容まで指導していただきました」

 結果は見事、筑波大学に合格。第一志望に現役合格を果たした。

 そんな鬼澤さんは高校入試のとき「静岡学園しか受験しなかった」と話す。「公立よりも私立のほうが学校としての体制がしっかりしていると考えたからです。事実、授業もわかりやすかったですし、公立中学の授業とはひと味違う感じがしました」。

 入学してからも校内には活気があり、刺激があった。

 「富士市や焼津市、島田市から通学している生徒もいて、静岡県内の広い範囲から生徒が集まっていました。スポーツ特待生で入学している生徒もいて、偏りなくいろいろなタイプの人と接することができたのが良かったです」

 医師の仕事は自分に一番合っていると話す鬼澤さん。

 「大学病院に務めていると、まだ治療方針がはっきり決まっていないような病気と出会うことがあります。そうした病気について自分で組み立てて研究していけるところにやりがいを感じています」

 最後に将来、医学部や難関大学を目指す後輩にエールをもらった。

 「まず、自分は何をやりたいか目標を明確にすること。次に、その目標にたどり着くためには何が必要かを順序立てて考え、初志貫徹でやり通すことが大切です。目標をしっかり持ってもらえたらと思います」と話した。

 
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