8月・9月
●夏期講習ならびにその前後の業務のポイント
8月、9月の業務をそれぞれ別欄に記すのが通常のスタイルだが、今回は少々変更をお許しいただき、全面を使って「夏期講習ならびにその前後の業務のポイント」についてお話しすることにしたい。講習生募集までの営業面での目標が「集客」であるとすれば、講習に入ってからの目標は「秋への継続入塾」ということになる。以下、時系列にしたがって、「継続」に重点をおいた業務のポイントを述べておく。
〔講習直前〕
1)担当者研修の実施――講習中に行うべきことの確認と継続数または継続率等、数値目標の確認を行う。ロールプレイをさせてみるとよい。また、数値目標にインセンティブをつけているところではその再確認も。
2)生徒向けにオリエンテーション――可能ならオリエンテーションを開いて、講習での学習のねらい、授業の進め方、予習復習の仕方、通塾時の服装・アクセサリーなどの諸注意を伝える。時間的に無理なら文書の郵送でもよい。
3)保護者・塾生宛「待っていますコール」――1日前ないし2日前に授業担当者が「○○日の○○時にいらしてください。待っています。持ってくるものは○○と○○」との電話を入れる。保護者または生徒のどちらかでなく、できるだけ両者を電話口まで呼び、双方に。
4)「講習らしさ」の演出――講習は塾にとって大きなイベント。室内・入口などをポスターや大型掲示で飾って、レギュラー時とは違うことを演出する。
〔講習初日〕
5)生徒の出迎え――入口まで出迎え、教室番号や指定座席などについて知らせるとともに、自分が担当者であることを伝える。保護者が送ってきているようならもちろん名乗って挨拶。名札をつけておくのも忘れずに。また、服装・身だしなみにも注意。
6)初回授業での注意――1対1の個別指導の場合以外は、学力が確認できるまで指名して答えさせることはしない。答えられないとみんなの前で恥をかくことになる。その心の小さな傷が、塾や講師に対する印象を悪くする。
〔講習中〕
7)出迎え・見送り――教場に複数の講師がいる場合、必ず上級者が塾舎の外に出て生徒の出迎え・見送りをする。
8)時間厳守と挨拶――授業は時間に始まり時間に終わる。前後は「起立」「キヲツケ」「礼」と声をかけ、「お願いします」「ありがとうございました」の挨拶。
9)授業は1話完結――レギュラー時と違い、講習中の授業は1話完結を心掛ける。1コマの授業について2点ないし3点、その場で覚えさせるなり理解させる。それが講習の充実感につながる。
10)生徒には毎日声を――米の心理学者ザイアンスは、「人間は知らない人には攻撃的、冷淡な対応をする」「人間は会えば会うほど好意を持つようになる」「人間は相手の人間的な側面を知ったとき、より強く相手に好意を持つようになる」と述べている。また、同じく米の心理学者チャルディーニは、「人間は好意をもっている人からの要請を受けると、それに積極的に応えようとする」と書いている。前者は「ザイアンスの法則」、後者は「チャルディーニの法則」と呼ばれるが、継続を期待するならまず講師が生徒から好意を持たれなければならない。とにもかくにも務めて接触回数を多くすること。
11)保護者への電話――講習半ばで保護者に電話。伝えることは「塾での生徒の様子」。講習初期より打ち解けてきた、理解できなかったことがわかるようになってきた等々、以前との違いを簡単に述べればよい。同時に保護者からの要望も聞く。なお申し込み時に、講習途中で塾側から電話を入れると伝えておくとやりやすい。
12)受講生面談――講習半ばで生徒とも面談。要望の聴取と学習の指示。授業前か授業終了後の数分で可。講習生の数はさほど多くないと思われるので、とくに時間を作らなくても可能なはず。あらかじめ保護者に伝えておく。
13)職員への指示と職員同士の意思疎通――講習中は昼礼や会議を行わない塾が多い。できるだけいつも通りにをお勧めしたいが、無理な場合はそれに代わる指示と意思疎通策の検討を。紙ベースやメールでのやり取りのほかに電話での定時連絡という方法もある。
14)残業不可――講習中は授業開始の時間が早くなるとともに、1日あたりの授業コマ数が増加するのが通例。また、いつもとは違った週休スタイルを取れなくなることもある。体調管理のために深夜残業禁止の措置をとるのが賢明。
〔講習後半〕
15)入塾申込書の配布――生徒に入塾案内と入塾申込書を配付する。継続入塾したさいになんらかの特典がある場合は、その旨も伝える。同時に保護者宛、「本日、お子さまに入塾申込書をお渡ししました。ご検討ください」と電話を入れる。この場合も特典の内容を。
16)三者面談――前号7月の欄で述べておいたが、講習申込時に面談アポは取ってあるはず。少し早いがこれをこの時点から実施し、できるなら9月アタマからの継続を確定したい。アポが講習終了後となっている場合でも、この時点の授業前か授業終了後に変更をお願いすることは可。面談時間は15分から20分程度か。講習中の保護者への電話同様、講習開始直後と現時点で生徒が変わった様子を伝えて、率直に入塾を促す。すでに入塾申込書は渡してあるから、回りくどく話す必要はない。なお、再三「生徒が変わった様子を」と述べているが、保護者が塾に期待しているのは子どもへの「よい意味での影響力」である。通塾してもしなくても同じであれば、高い料金を払って塾に来させる意味がない。少しでも変わった様子やその兆しがみえたところを強調すること。本当は「通塾を始めてから、家で勉強をするようになりました」と保護者の方からいってもらえるのが一番望ましいのだが…。
〔講習終了後〕
17)取りこぼした三者面談――講習中にできなかった分の三者面談を。できるだけ早いほうがよい。
18)反省会・慰労会――講習の反省はしっかりと。そのまま慰労会に移行させ、ここでインセンティブの授与を行うのもよい。インセンティブは即座ほど効果がある。
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