4月
●新年度中学生の募集
まずは表をご覧いただこう。文科省が2年おきに実施している「子どもの学習費調査」でわかった、ここ16年間の公立中学生の通塾率の推移と、その通塾率と同省「学校基本調査」とから算出した公立中学生(義務教育学校・中等教育学校を含む)の通塾者の数である。学習費調査では「塾の利用に際し、年度間に1円以上支出した者」の割合を調べているので「支出率」「支出者」という用語を用いているが、ここではそれを「通塾率」「通塾者」と置き換えることにする。
「全体」を見てもらいたい。2002年度の通塾率は75・0%、それが年を追うごとに下がり、18年度には69・3%にまで落ちてしまっている。公立中学生の数は02年度が360万人弱、18年度が300万人強。こちらも60万人弱減っている。率が落ちて数も減れば当然通塾者数も減る。02年度270万人弱の通塾者が18年度には208万人。61万7000人の減少(22・9%減)。すさまじい減少と言っていい。
ところで、この4月に中学校(義務教育学校、中等教育学校含む)に進学した生徒の数は国公私立合わせて109万3000人強。昨年度より2500人ほど増えている。が、増えているのは一部の大都市圏だけで、地方都市は間違いなく減っている。とすれば、今年の公立中学生の新規入塾は、都市圏に関してはほぼ昨年並み、地方都市ではやはり減少ということになろう。そうした状況の中でそれなりの入塾者数を確保するためにはどうしたらよいか。緊急対応策をいくつか挙げておく。
①塾舎が目立つ工夫をする(看板、のぼり、窓掲示等を一新)
②広告宣伝に力を注ぐ(新聞折込、ポスティング、校門配布、ホームページ……効かなくなったと言われる新聞折込も、他塾が折り込まなければ有利)
③入塾面談に時間をかける(面談時間30分以内の塾が意外に多い。新規入塾者の保護者は有力なクチコミの発信元。2時間くらいかけて丁寧に話を)
④入塾2週間前後に保護者にメール(保護者の心配は生徒が塾に溶け込めているかどうか。友達と楽しくやっていますよと知らせる。迷惑をかけない時間であれば電話でもよい)
●その他の留意事項
◇オリエンテーション
教科別に勉強のやり方の指導を。
「やり方」とは勉強をする際の「順序」とその「内容」を指す。
◇部活動の把握
塾生がどんな部活をしているのか、キチンと把握しておく。
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