10月
●定期テスト対策
新型コロナ禍でどこの地域でも予定が完全に狂ってしまったが、この時期には例年、3学期制の2学期中間テストが予定されている。
ベネッセ教育総合研究所がそれぞれ2000人以上の中2生と高2生とを対象に「テスト勉強の開始時期」の推移を調べたことがある。報告書の一部を抜粋した表@と表Aとをご覧いただきたい(同社『第5回学習基本調査』2015年)。
1990年調査と2015年調査とではこんなにも違っている。とくに中2生は開始時期が早まっており、「2週間くらい前」と「10日くらい前」を合わせた割合は90年平均が39・8%なのに対し、15年は平均で60・7%、全体の37%を占める「成績自己評価上位者」に至っては70・8%に上る。
皆さんは定期テスト対策指導をいつから始めておられるだろうか。生徒が学校からの「課題」に追われるため、まともな対策指導ができない塾も多いと聞く。そういったところでは一度、塾の指導内容や指導スケジュールを考え直してみるべきではないだろうか。
●大学の学校推薦型選抜
昨年度までのAO入試に相当する「総合型選抜」の出願はすでに終了(現時点では9月中に出願、11月1日以降に合格発表の予定)、推薦入試に代わる「学校推薦型選抜」の出願が11月に迫っている。「推薦書」は通常、高校側が用意してくれるはずだが、多くの大学ではさらに志願者本人に「志望理由書」「学修計画書」「活動報告書」等の提出を求めるものと思われる。慣れない作業で大変だろうが、こうした書類の作成を手伝う必要がある。
「大学入学共通テスト」に始まる「一般選抜」は1月中旬以降に行われる。もしもこの時期に新型コロナが蔓延していたら――そう考える大学側は今年度、総合型と学校推薦型の定員枠を拡大して一般選抜の定員を減らしている。当然、一般選抜での合格ラインが上昇することは間違いなく、それを嫌う「学校推薦型選抜」志願者が増えることも間違いない。日々変わる状況を注視しておいていただきたい。
●2学期制の秋休み
10月には普通、2学期制をとる学校の秋休みがある。今年は多くて数日だろうが、可能ならばここを利用して、午前〜夕方の長時間講習をお勧めしたい。授業内容は前学年の学年末以降の総復習。英数または単科でよい。昨年度末から年度明けにかけて長い臨時休校があった。この間、しっかり勉強した生徒でさえ、詳しく眺めてみると実はいくつか大きな穴が開いている。使用する教材は「教科書」で構わない。丁寧にやり直すことだ。
●英検・漢検・数検
予定通りに開催されたら、無理をしてでも受検させること。
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