1月
●進級説明会
1月のうちに進級説明会を行っておきたい。対象は新中1〜新高3の塾生と、受験生の保護者を除く全保護者。コロナ次第だが、学年別に全員一緒でも構わないし、小さなグループに分けてもよい。場合によっては同時双方向のオンライン利用という方法もある。必要な時間はせいぜい1時間。来年度のサービス内容と行事予定を丁寧に伝える。
経産省「特定サービス産業動態統計調査」によれば、全国の学習塾の教場当たりの塾生数は7月末時点で昨年比マイナス7・9%、4月から7月までの教場当たり売上の累計は同マイナス12・3%。こうしたマイナスが今年度中に解消されるとは思えない。大げさに言えばこの先、生き残っていけるかどうかは来年度当初の塾生数と売上とにかかっている。年度末の退塾は防がなければならない。
ところで、その際に伝えなければならないことの一つに「授業料」がある。この秋以降の近い将来、間違いなく不況がやってくる。もともと第2次安倍政権が発足した2012年12月に始まった景気拡大は18年11月に終わっていた。にもかかわらず19年10月には消費税を増税。そこに新型コロナが決定的な追い打ちをかけた。政府がどんな施策を打っても厳しい不況の到来は必至とみてよい。
では、そうなった場合、授業料をどうするか。多少安くしてでも塾生数を追うか、それとも据え置きないしは値上げを図って高所得者層狙いの少数精鋭路線でいくか。それぞれの塾の置かれた立場や地域性、さらには塾の創立の理念もあるので、一概にどちらがよいとは言いにくい。いずれにしても日本経済や世界経済の動向を注視しつつ、そうなった場合の対処法についてじっくりと考えておいていただきたい。
●入塾説明会
少し早いかもしれないが、可能ならば進級説明会と同時並行の形で入塾説明会も行っていきたい。全学年一緒にでも構わないし、また個別にでも構わない。やはりオンラインでという手もある。教場の規模等々に応じて考えればよい。
上述のように今年はたいていの塾が大きく塾生数を減らしているが、減らしていない塾もある。そうした塾の多くが早めに募集を始め、早めに終えてしまった塾だと言われている。コロナ禍による全国一斉臨時休校は3月2日に突然、鶴の一声で始まった。その前に一定数を確保していたわけである。
「保護者が塾を探すのは3月と4月」「だから募集は3月と4月」という考え方は間違いではない。しかし、それは平時のやり方であって、非常時には非常時のやり方がある。ご検討を願いたい。
●その他の留意事項
◇模擬面接
面接を行う私立高校推薦入試は少なくない。今年度は推薦希望者が多いと思われるので、面接が合否決定のカギを握ることもあろう。模擬面接を企画したい。質問は過年度の入試から推定できる。
◇大学入学共通テスト
第1日程は1月16日と17日、第2日程が1月30日と31日。9割強が第1日程で受検予定。ホテルが必要な生徒には早めに確保させておくこと。
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